私は東京都に一人と900キロ離れた県に一人、計二人存在していて、久しぶりに東京都の私に戻ってみたらまだ重たいパッツンの前髪で後ろも重く伸ばしたままで、途方にくれた。 「この間さ、向こうの私のとき、いつもの美容院に行って切ったの。」 「こっちの私…

細くひょろひょろとした坊主頭の少年と、太った男と、若い女に学校で殺される。 女は高校生くらいで、私服で、ノーメイクで、だるそうにペットのチワワを抱いて登校していたところを太った男に呼び止められ、殺人グループに加わった。何を話しかけられても女…

僕は武田鉄矢こと金八先生の側近だ。いつも先生の傍にいて、クラスをまとめ、先生を支えている。 最近金八先生（武田鉄矢）は機嫌が悪い。というのも、周りの先生達や教育委員会までもが、性教育に熱心になり、派手で意味のわからない性教育を始めたからだ。…

人の死んでいるマンションで、皆で宗教新聞を配る。皆組織を抜けたいので、それぞれ監視役の目の届かないときにタクシーを拾ってそれに乗り、しばらく行ったところで自分に付けられている発信機を車にこっそり隠したまま車を降りて逃亡を図るという計画を実…

仕事帰りに青山のミニシアターに寄る。環境問題のドキュメンタリーだ。優先チケットを持っていたのに何故か使えず、通常のチケットで入る。会場で大学の友人を見つけたので会釈。前のほうの席につく。会場の後ろ3列は製作者の席だ。上映が始まる。つまらない…

一昨日見たムーンウォークのサラリーマンと、高架線の下で、またすれ違った。 同じベージュのバーバリーのトレンチを着て、左手に鞄を持って、眼鏡をかけて、 なぜかうめぼしを食べた後のように、顔の部品を全て中央に寄せていた。それでいて目は開いていた…

野菜が安いスーパーで、ネットみかんと水を買って、薬局でティッシュを買って帰る。 川を渡って、もう少しで高架線という所でムーンウォークで進むサラリーマンに追い越された。 ベージュのバーバリーのトレンチコートを着て、左手に鞄と私とは違う店のスー…

出かけようと思って駅に入るも、その瞬間に隣の駅で人身事故が起こったらしく、ホームに来てた電車はいつまでたっても動かないままだった。 車で行くか帰ろうと思って改札を出ようとしたら、小さい駅なのに長い列が出来ていて、皆ICカードの履歴を消してもら…

「はんこ押して」 って言いながら彼女は排便している僕は一切無視でトイレのドアを開けた。 「え、ちょ、今うんこしてんだけど」 「いいから押して」 仕方がないので僕は彼女から書類と判子を受け取って、うんこしながらトイレの目の前の壁で判子を捺した。

寝言は寝て言えこの売女。

真っ暗な空に囲まれた小さな小さな星で、メガネの博士と小さいお手伝いロボットが2台、「ついに出来ました！」とバンザイを繰り返してる。地球はもうとっくに、ない。 「ついに出来ました！」「ついに出来ました！」「これで地球からの音声と映像を受信でき…

目の前の少女のお腹に太いつららが刺さる。 少女は叫びながらもがいて、なんとか逃れようとするけれどだんだん赤く染まってく。いつのまに集まったのか、もう動かなくなった少女の周りの子供達が、赤い水溜りをこれ以上広げないように、パシャパシャと音を立…

大地震の起こった日本、私はシェルターには入らずに、一人で逃げていたい。お金持ちの黒人、ipodにつけるボイスレコーダー。12万円。首から提げる。レトロな基盤が見えてて、昔のマリオがデザインされてる。日本はもうだめだけど、不思議と怖くない。

東京にただいましました。

久しぶりに誰々さんの夢を見た。 今度は同じマンションに住んでいて、部屋に遊びにきて、色んな話をしつつ色々私のだらしないところを知られてしまって、という内容。二度寝したら今度は学校と67の夢を見た。 舞台は高校の教室なのに、酒井さんと君がいて、…

ういろうと外郎の違いを学んだ。

窓の外を見ながら歯磨きしていたら、女郎蜘蛛がエサを捕るところを見た。 おまえは人を喜ばせすぎるって言われた。これ言ったら喜ぶだろうなぁってこと、さも本心ですよっていう顔で言うだろ、って。

昔住んでた小さい家の隣には、うちと同じ間取りの家があって、そこには50代の夫婦と、臆病が故に「チキン」と名前をつけられた一匹の黒猫が住んでた。 おばさんが出してくるおやつは決まってカルピスで、おじさんは休む暇なくたばこを吸ってた。 おばさんは…

大人になるっていうことは、退化するってことかもしれない。 年齢を重ねるっていうことは、劣化するってことかもしれない。

人は、変わる。 「本質は変わらないよ」って思ってきたけど、変わるね、って。思った。色々、目の当たりにして。

右下で世界と繋がっている

子供の頃、漫画を読んでいて「ジレンマ」という言葉が出てきた。 意味は解らなかった。 読めない言葉でも、前後の文章と漢字の意味から大体の意味を推測して大体内容を理解することができていたのだけど、ジレンマはわからなかった。ジとレとンとマという、…

しかし彼女は顔が可愛くなかった。致命的に。

二辺は恐ろしく長く、反対に残りの一辺は恐ろしく短い。 恐ろしく長い二辺と、恐ろしく短い一辺の差は、1300:1ほどもあるので、直線に近い二等辺三角形ができる。 情報が行き来する辺だけを浮かび上がらせると、直線に近い不等号ができる。

そうだ、また一つ年をとりました。なんだか超えると長生きする一線を越えてしまった気がする。

地図は世界に転々と存在していて、それぞれの地図は大人になるにつれ徐々に繋がっていく。 子供の頃は家と、家の周りと、近くの空き地と、公園と、通学路と、学校と、学校のそばの川と、駄菓子屋と、友達の家の地図があった。 あとは、たまに行く都心の父の…

大体、人は嘘をあまり言わない。本当のことを嘘に見せかけることのほうがよくする、と思う。 なので言葉尻に「ばか、嘘だよｗ」ってつくことの8割は本当のことだと思っていい。多分。

彼女の何が好きって、肩間接と胸が柔らかいところだ

彼女は優しい。 彼女は働き者。 彼女は写真を撮らせてくれない。 彼女は遠慮深い。

「ちゅーする？」 「や、ちょっとまって」 「…」 「や、ちょっとまって」 「…」 「や、ちょっとまって」 「…」 「みかんの缶詰買いにいこう。嫌い？」 「好き」