門松になるまえの、弱門松のもの

 年明けの雑煮のために一束298円よりは気の利いた値段の小松菜と、2個248円よりは気の利いた値段のゆずを探して夏に引っ越した新居のまわりの食料品店をはしごしていた時、通りかかった、明かりの消えたオフィスビルの、玄関に、竹の先端部が真っ平の門松が2つ鎮座ましましていた。

 私は次の小松菜に向かいながらふむこれはきっと門松になるまえの、弱門松であろう。年が明けたら上部を斜めにスパーン!と切るのである。年が明ける前はこのように地味な状態で準備して、年が明けたらスパーン!とするのが本来の手順なのであろう。しかし通勤路にあるオフィスビルにはクリスマス前から既に上部スパーン!な門松が鎮座ましましていたな。そうだ随分気が早いなと思ったんだった。年を越す前からあのような切り口を晒すなんて破廉恥極まりない。いやしかし年の瀬。業者も忙しく、本来の手順と言えど簡略化され廃れるのも仕方ないよのう。と考え一束150円の小松菜と、1つ100円のゆずを見つけ満足して帰った。

 帰ってインターネットで検索したら門松の竹の先端部の形状は斜めに切った「そぎ」と真横に切った「寸胴」の2種類があるとあり、うぐぐと唸りながら蹲った。

 気がつけば推敲したはいいけれど私の夢の中に登場した際の奇行が現実界のその人の名誉に触れるのではないかと思いアップしていない文章や、ただ寝起きにメモしただけの日本語になっていないようなものが丸3年分溜まっていて、どうしよう。