2011-01-01から1年間の記事一覧
戸籍名が変わった
というわけで、Nがタマゾンに行くと言い残して消えた。そのままどこをどう歩いたのか知らないが、高村さんに奥多摩の山奥、それマジタマゾン上流だろっていうようなところに呼び出されたらしく、その上殺されたようだ。なんという自業自得。妖怪がうようよし…
本当はしてはいけない、しかしおそらく誰にも気付かれないであろう代替手段を用意し核心を避けてみたら思いの外楽になって驚いた。ラマーズ法っぽいな、と思った。あれは本当に痛みを逃せるので侮れない。
駅までの帰路の途中で民家のドアにへばりつく守宮を見つけた。まさに今視線の先に止まっている小さい蛾を食べようとしているそれの、足の指一本いっぽんを慎重にドアからはがしては新しいところに置きじりじりと蛾に迫っていくその仕草は信じられないほどな…
今年の切手部会ではシロスジカミキリの記念切手が出るから、消印もシロスジカミキリだから、一緒に行こう いやだ、ぼくはカミキリムシは怖いんだ
数日前に2ちゃんねるの原発関係のスレッドで見た「シバシバくん」という単語にやられた。恐らく「数々(しばしば)」ではなく「芝芝」と発音するのであろう東芝の技術者を指したその隠語はやけに素敵なものに思えた。 私も身の回りで「シバシバくん」を作り…
「四女と今度会って、問題を考えてくれませんか」 2DKほどのアパートの炬燵に足を突っ込みながらDSをしていると向かいの柳沢さんが顔を上げずにそう言った。私の背後では新発売のゲームの体験会が始まって、私はいいないいなと言って順番をかわってもらう。…
つややかに油あがりした真っ赤なりんごを丸のままかじると、話に聞いていたとおり皮から丁度一センチ内側で大きな芋虫が這い回ったような大きさの空洞にぶつかった。 ウツギノヒメハナバチの巣穴のようになめらかな楕円の空洞が皮から一センチ内側の果肉にい…
恋人が長期入院している。 私も長期入院しているが、私は知的障害者でもう10年もここにいるので恋人の比ではない。自慢ではないが住所も病院だ。私は毎日毎日恋人の病室の入り口に座り込みながら中の様子を眺めているのが好きだった。 この病棟には黒髪ショ…
海さんの家で野菜をふんだんに使った料理をこれでもかと言うほど出され、 大変幸せで、おなかいっぱいで、 表では例大祭のパレードが道路を練り歩いている。 自室で作業をしている海さんの恋人も、時たま顔を出し声をかけてくれる。 私はそろそろ帰らなけれ…
意識のない実母の横顔が画面いっぱいに映しだされる。見開かれた目が生々しいが既に頭部の損傷は激しくその目に苦痛の色はない。固く握りしめた誰かの強靭な拳が画面左からインし母親の頭部を綺麗に四つに分割する。音は聞こえないが飛び散る内容物の生々し…