ねこかわいい

 少し涼しくなってきて、猫が私のベッドで一緒に眠るようになった。
 彼女は肌触りのよい古いタオルケットが好きで、上に乗ってはよくふみふみちゅーちゅーする。肌触りのよい古いタオルケットは義父のおさがりで、糸がそこらじゅうほつれているのだけど本当に肌触りが良いので私も気に入っていたのだが、別のタオルケットより明らかに猫がふみふみする頻度が高いので、私はその肌触りのよい古いタオルケットを彼女に譲ることにした。

 うちの寝室は二階にある。深夜そろそろ眠ろうと階段を上がると一番上の踊り場に猫が寝ていて、ふむふむ今日はそこが涼しいのですかと声をかけて寝室に入ると猫もするりと入ってくる。猫が一階にいるときは、階段に足をかけるが早いかその脇をダッシュですり抜けて踊り場でドヤ顔をしてから先に寝室に滑りこむ。ドヤ顔をしないで寝室に滑りこむことも多いかもしれない。
 どうやら一緒に寝るために待っていてくれたりしているらしいとしばらくしてから気がついた。夫にはこういうことをしないので優越感を感じる。

 ベッドであまり肌触りの良くないタオルケットにくるまりながら、少し手を伸ばしてふわふわの毛を指で撫でると、静かに喉を鳴らし始めるのがわかる。

 今月で、猫は2歳、私は27歳になった。