2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

僕の大事な私さんに

UV/他人の見た夢2

女の子二人と校庭を横切っていると、テニスコートの審判台の上から白くてまるいおやじが半裸で声を張り上げた。 「今日は紫外線の強い日です。飛行機も落ちるので注意して下さい」 飛行機?と思って空をみると、2つの小さな飛行機が白い柔らかな尾を引きなが…

壁のうすいうすいアパートに 恋人と義父と住んでいて 義父はせみ男だ。 義父はたまに帰らなくなる。 恋人によると、せみ男の習性「冬眠」だそうだ。 1週間のときもあれば3ヶ月の時もある。 恋人ももう3日帰ってこない。 恋人に電話をかけると、「しばらく帰…

姉妹の会話

「東京では冬でも外に洗濯物が干せるわ!」 「そうね。でも凍み大根は作れないわ」 「……っ!」 「そう、凍み大根は作れないのよ」 「凍み大根……愛しの凍み大根……」 「ねえ、夢ばかり見ていられないのよ。私たち、凍み大根から離れては生きていけないわ」 「…

他人の脳髄を浴びる

映画のキャラクターに手を引かれて、私は走る。横長に大きい頭をしていて、真っ黒い坊主頭、私の左手をぐいぐいと引っ張っていく。 私の右手には不思議な形をした小判が2枚。これで着替えの着物を買いに行く。着物の裾がもつれて走りにくい。 転びそうになり…

夜中にカウボーイを見た。 背の高い細身の30か40代の男の人で、口髭を蓄え、左手に通勤鞄を持ち、プレーントゥの黒の革靴を履き、ポンチョからグレーのスラックスを覗かせ、頭には鍔の広いカウボーイハットを被っていた。 ガンベルトはつけていなかった。い…

身重の妻

東京の冬も寒い。アスファルトに仰向けに横たわると小さな雪がちくちくと頬を刺した。 体が熱い。唇が心臓の鼓動に合わせて脈を打ってるのがよくわかる。 「Ikaw *** **** di ba?」 見知らぬフィリピーナが俺を見下ろして言う。俺が何だと言うんだろう。 「I…

でも春だったか秋だったか29歳だったか33歳だったか中学の制服だったか高校の制服だったか覚えていない。

地元の駅がばれるのは嫌だから、いつも2つ隣の駅か3つ隣の駅を指定する。地元の駅でしてたこともあったけど、知り合いに見られたときのことを考えてやめた。 だから私は今回も、2つ隣の駅を指定した。次のメールで、1つ隣の駅にしませんか、と言われた。小さ…

空を飛ぶ夢が見たい

空を飛ぶ夢をもうずっと見ていない。1年弱くらい見ていない。空を飛ぶ夢が見たい。 空を飛ぶ夢を見る方法を覚えたのは小学4年生くらいの時で、大抵誰かに追いかけられる悪夢から逃げる方法だった。だんだんと恐怖が増していく夢の中で、私は上に逃げる方法を…

舌が短い

「なん舌の短い人なが。」 正月に富山に帰った時、祖母が祖父を指して言った。 「舌が短い…」 私が呟くと、「舌っ足らずってことよ。」と間髪入れずに母が言った。 意味はわかる。ただ、「舌っ足らず」よりもずっと素敵な表現だな、と思った。 実際、舌の長…

私 の発言: 私すき? 私 の発言: うん 私 の発言: もちろん。 私 の発言: わーい 私 の発言: 私さん好きだよ 私 の発言: 私さんが轢死体になってもすき? 私 の発言: これはむちゃか。 私 の発言: ちょっと難しいなw 私 の発言: だねー 私 の発言: けど私さ…

20071225

白いAラインのコートに黒のワンピース、12分丈の黒のレギンスコーチのバッグ。靴は黒のエナメルのワンストラップパンプス。無難だ。ラッシュの黒と黄色の紙袋がよく目立つ。 顔はあまり可愛くない。でも背が低くて可愛らしい。電車で見つけたその24歳@クリス…

クリスマスに母親に呪いをかけられた

イブが終わった25日の、クリスマスの夜に、母親に昔のことを謝られた。 「今謝れる時に謝っておくけど、」と小さな声で冗談みたいな言い方の前置きがついて、最後には「でも長女ってどこもそんなもんだと思うけど。」って笑いながら言い訳をつけて。「ごめん…